こうれい研について
こうれい研の「これまで」と「これから」
平成10年5月、こうれい研はオムツの勉強会からスタートしました。
大人のオムツはまだまだ一般的ではなく、恥ずかしいもの、という時代でした。
平成10年5月、こうれい研は介護・医療の研究会の形で発足しました。
当時は介護保険の導入が世間で話題になり始めたころ。
障がい者や高齢者の生活環境や福祉の状況は、欧米先進国に比べて20年から30年遅れているといわれていました。
「環境が良い」という理由で、郊外!というより山奥の施設に入所させられているか、社会から隔絶した状態で暮らしているか、閉じられた家庭環境の中での家族介護が当たり前の状況でした。
子ども用の紙おむつはテレビでコマーシャルが流れていましたが、「大人用のオムツは恥ずかしいもの」という認識が強く、「どのような種類のオムツがあるのか?」「いくらぐらいなのか?」といった情報は殆どない状態。
情報不足を何とかしたいという思いから、まずは大人の紙おむつの研究会を開催しました。
オムツメーカー関連の十数社に声をかけて、展示をしてもらい、一般の方にも公開しました。
来場者こそ多くはなかったものの、大人のオムツを堂々と展示したのは始めて・・・とメーカーからも評価を頂きました。
二回目は肌着や靴下、三回目は食品(身体に良い食事)、排泄の用具などなど回を重ねて、六回目の「聴くこと、見ること」をテーマにした時に、聴くことも見ることも社会参加のきっかけなのだから、社会に出るということを取り上げてみようと調査をするうちに、タウンモビリティ(ショップモビリティ)に出会いました。
この活動はぜひ「地域に広めていきたい」、とそれ以来タウンモビリティが活動の柱の一つになっていきました。
高齢者が快適に暮らせる社会を各地域に作っていきたいという思いから、「高齢者快適生活つくり研究会」という名前を仮につけたのですが、こうした活動をするうちに人脈も広がり、いつの間にかそれが「こうれい研」と呼ばれるようになりました。
高齢者や障がい者が地域で安心して暮らすためには介護や医療だけでは暮らせません。
住宅や街の環境や、地域に暮らす人たちの意識、行政やその他のサービスの連携などさまざまな要素が充実してこそ、住みやすい地域といえます。
各地にそうした人材を作っていくことを目標に団体の基盤を固めようと、10人の理事を募って平成11年9月にNPO法人格を取得しました。
20年前、こうれい研発足のために連夜熱い会議をしていた時期。高齢化先進国の欧米の背中は遥か彼方に見えるくらいでした。
高齢化は予測されていたものの、それに伴い世の中がどう変わるかはまだ未知数でした。
今のように大人のおむつが堂々とTVコマーシャルで流れるなんて考えられない時代。
年を取ったら静かにひそかに、人知れず人生から退場していくことが当たり前、
障がい者も同じように、世の中から切り離されて暮らすことが当たり前の時代でした。
それから20年、法整備も進み、高齢者も障がい者も世の中の一員として社会参加をし続けることができました。
今は、世界が、超高齢化の日本が、どのように対応していくかを見ている時代です。
こうれい研メンバーも設立当時から20歳年を取りましたが、これからも若い方々を巻き込みながら、さらにユニバーサルな社会を目指して、力の続く限り活動していきます。
代表理事 吉永 美佐子
こうれい研の歩み
- 1998年10月
- 福岡市内にて介護・医療の研究会として紙おむつの勉強会から開始
- 1999年9月
- 特定非営利活動法人「高齢者快適生活作り研究会」の認証(9月29日)
- 2000年
- 経済産業省(JETRO)の講演会でショップモビリティと出会い、イギリス・ウーバーハンプトン市へ視察
- 2000年〜
- 福祉住環境コーディーネーター(FJC)検定の対策セミナーの開催、FJCのネットワークづくりの支援活動
- 2002年〜
- イギリスよりショップモビリティの担当者リンダさんを招聘、久留米市、小浜市等にてショップモビリティ事業を展開
- 2007年
- 太宰府市・西鉄の協力を得て、西鉄福岡駅〜国立九州博物館間のショップモビリティ調査を実施
- 2012年〜
- エンディングノートの制作。県内各地にて書き方講座を企画・開催中
こうれい研について
団体名 | 特定非営利活動法人 高齢者快適生活つくり研究会 (通称:こうれい研) |
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認 証 |
認証年月日:平成11年9月29日 NPO認証番号:11生文第348号の3 |
役員等 |
代表理事:吉 永 美佐子 理 事:川 口 龍 哉 理 事:田 原 公 生 理 事:菅 野 弘 治 理 事:坂 井 かほる 監 事:伊 佐 淳 正会員 :10名 (令和3年12月1日現在) |
所在地 |
福岡県久留米市日吉町115 楠病院内 ※事務局は常駐しておりません。お問合せにつきましては、フォームよりお問合せください。 |